正社員と契約社員では何が違うの?それぞれの特徴や待遇面などのメリット・デメリットをご紹介

安定といえば正社員」といったイメージを持っている方も多いと思いのではないでしょうか?

しかし近年、正社員以外の契約社員や派遣社員なども増えてきています。

具体的にどのような違いがあるのでしょうか。それぞれメリット・デメリットがあります。

比較しながら自分にあった働き方について考えましょう。

正社員と契約社員の違いとは?

・正社員の特徴

正規雇用された社員のことを言い、雇用期間に期限がないので長期的に就業することができます。よほどの理由がない限り解雇されません。

企業ごとで異なりますが、多くの場合、毎月の給与の他に年2回の賞与や退職金が出ます。

勤務時間は会社の規定に従うことになります。

・契約社員の特徴

雇用期間に限りがあり、契約期間ごとに更新が必要です。契約期間は最長でも3年となっています。

契約の更新を申し出ることが可能ですが、更新するか契約終了するかの判断は企業側に委ねられます。

業務時間外であれば、多くの場合副業も可能です。

勤務時間は契約内容によって定められるので、融通がききやすくなっています。

・正社員と契約社員の割合は?

総務省の労働力調査によると

非正規雇用労働者の割合は雇用者全体の約4割となっており、増加傾向にあります。

非正規雇用労働者の内訳はパート・アルバイトが70%、契約社員が14%、その他、という結果になっています。

正社員と契約社員の年収の違いは?

・正社員の平均年収

厚生労働省の調査によると、正規雇用者の平均年収は約478万円となっています。

男性の平均は532万、女性の平均は272万となっています。

・契約社員の平均年収

契約社員や派遣社員などの非正規労働者の平均年収は約270万円となっています。

男性の平均は222万、女性の平均は148万となっています。

こうして比べてみると正社員との差は大きく感じますね。

非正規雇用労働者の方が年収が低くなる要因としては、労働時間が短い場合があることや、賞与がない場合が多いことが考えられます。

正社員で働く9つのメリット

①仕事の裁量が大きい

会社の一員として責任のある仕事を経験できます。それに伴いスキルアップ、キャリアアップが可能です。

②転職の際に有利になる

正社員として働いていたということは「責任ある仕事を任されてきた」「即戦力となりうる」ということを

アピールできる要素となります。アルバイトや契約社員としての職歴よりも重要視されることが多いのです。

③雇用が安定している

よっぽどのことがない限り解雇されません。

会社が倒産したり、自ら辞めることがない限り、定年まで働くことができます。

④賞与などのボーナスが支給される

多くの企業の場合、毎月の給与の他に年に2回の賞与があります。

また、退職金がもらえるのも正社員の特徴と言えます。

⑤昇給・昇格などの出世のチャンスがある

勤務年数や能力に応じて昇給することがあります。

成果に応じて報奨金が支払われる企業もあるようです。

⑥厚生年金に加入できる

正社員の場合国民年金+厚生年金に加入できます。

保険料の支払いは半分を会社が支払ってくれます。「それでも高額だ」と感じる方もいるかもしれませんが、

老後に受け取れる年金の額は、国民年金のみの場合と比べて2倍になると言われています。

⑦雇用保険に加入できる

雇用保険に加入する1番のメリットは失業・転職する際、再就職までの間「失業手当」が支給されることです。

⑧その他手当はもらえる可能性がある

交通費や住宅手当・社員寮、健康診断補助など福利厚生が充実しています。

企業によっては、資格取得のための費用の補助や、外部研修などのサポートもあります。

⑨社会的信用が得られる

安定した収入があるため、家や車などのローンを組みやすい他、クレジットカードの審査にも通りやすいと言われています。

正社員で働く3つのデメリット

①転勤の可能性がある

正社員の場合は転勤や異動を命じられることがあります。

事例が出た時は原則として従うものとされており、海外や子会社への出向を命じられることもあります。

②休日出勤や残業が課せられる場合がある

仕事の量に応じて、休日出勤や残業が課せられることがあります。

繁忙期などで人手が足りない時は正社員を頼りにされることも多いため、残業が増える可能性があります。

③責任が増える

契約社員やパートなどの場合でも責任はつきものですが、

正社員になるとそうした非正規雇用労働者の分の責任も背負う立場になることがあります。

働き続けることでより責任のある役職についたり、部下が増えていくことでプレッシャーは重なります。

裁量が大きいということは、それだけ責任も増えるということになるのです。

契約社員で働く3つのメリット

①基本的に残業がない

基本的に、はじめに交わした契約内容に沿って働くので、サービス残業はほとんどありません。

決まった時間で帰れることでプライベートを充実させることができます。

②仕事内容は単純な業務が多い

長期的な雇用を前提としていないことから、研修などの教育コストはかけない傾向にあり、

「できる仕事を割り振る」というのが一般的となっています。

契約の際に仕事内容が決まっているため、新しい仕事をしていくという場合は少ないようです。

③基本的に大きな責任

正社員と比べて、給与の違いや役職につきにくいなどという違いはありますが、

その分、社員並みの重い責任を負わなくて良いというメリットがあります。

契約社員で働く6つのデメリット

①正社員よりも給与面が期待できない

平均給与が正社員と比べて低なってしまうことが多くなっています。

賞与やボーナスがない場合もあり、差が出やすいと言えます

また、ボーナスがある場合でも正社員に比べて額が下がる傾向にあります。

②責任ある仕事を課されないことでスキルが磨かれない

長期雇用を前提としていないことから、比較的責任の軽い仕事を任されることが多くなります。

また、継続的に続けることで得られる専門的な知識や技術の習得も難しくなります。

③転職の際に不利になる

転職する際は、書類や数回の面接でどんな人材か判断する必要があります。

契約社員として働いていた場合、「責任ある仕事をしてないのでは?」「即戦力になれるのか?」

といった不信感を感じる人も中にはいます。

特に30代以降では経験・スキルや、管理職経験を求められることも増えるため、転職で不利になってしまいます。

④社会的信用が低いためローンなど組めない場合がある

雇用期間が限定されているため雇用が不安定になりやすく、大きな買い物の際のローンが組めないこともあります。

⑤契約期間終了後は、また仕事を探す必要がある

契約期間の終了をむかえるとき、企業側からの合意が得られなければ退職を余儀なくされます。

必ずしも契約を更新できるとは限りません。そうなればまた新たに仕事を探す必要があります。

⑥年齢を重ねても給与がほとんど上がらない

雇用期間が短く決められているため、基本的に賞与や昇格は見込めません。

例えば、重要なポジションを任せたとしても1年で辞めてしまうとなれば、企業にとってもリスクが大きいのです。

正社員・契約社員以外の雇用形態の特徴

・派遣労働者とは

契約社員は実際に働く企業と直接契約を結んでいるのに対し、派遣社員とは人材派遣会社と雇用契約を結んでいます。

派遣された先の企業との雇用関係はありません。

人材派遣会社から紹介される企業の中から、自分と条件がマッチしている仕事を選べるため、

ライフスタイルに合わせて働くことができます。ただ、契約社員と同じく契約期間が決められるので雇用が不安定になります。

・パートタイム労働者とは

勤務先の正社員の所定労働時間よりも短い労働者のことを言います。

正社員の1週間の所定労働時間が40時間なのに対し、パートタイム労働者は35時間と短くなっています。

勤務時間の融通がききやすいため、家事や育児などとの両立がしやすいと言えます。

正社員・契約社員のまとめ

近年、契約社員を含む非正規雇用労働者が増えている傾向にあります。

契約社員の場合、ライフスタイルに合わせて働きやすいといった点や自分の得意分野で仕事ができるといった特徴があるので、

家庭や勉強などプライベートと仕事を両立したい人や、正社員のように責任の重いきつい仕事は希望しない人には向いているでしょう。

しかし、給与面や福利厚生がしっかりしている点では正社員の方が安定しています。

「1つの会社で仕事を続けたい」「安定した収入が欲しい」という場合は正社員になることをオススメします。

どちらにもメリットとデメリットがあります。

それらを理解した上で、自分のキャリアプランやライフスタイルにあった働き方をしましょう。