「30代の転職は難しい?」「今から未経験の職種へは転職できない?」と不安になっている人もいるでしょう。
以前は「転職は35歳が限界」と言われていましたが、今や35歳以上の人材を募集している企業も多く、転職をすることは可能です。
ただし30代からの転職は20代と同じ方法では成功しません。
では具体的にどんなことに気をつければ良いのでしょうか?
30代の転職を成功させるためのポイントをまとめました。
30代の転職理由に多いものは?
厚労省の雇用動向調査によると、以下のような結果になっています。
・30代前半の場合ベスト3
男性(30代前半)
①給料等収入が少なかった 20.2%
②労働時間、休日等の労働条件が悪かった 13.9%
③会社の将来が不安だった 11.0%
女性(30代前半)
①職場の人間関係が好ましくなかった 21.2%
②労働時間、休日等の労働条件が悪かった 14.6%
③給料等の収入が少なかった 10.6%
・30代後半の場合ベスト3
男性(30代後半)
①定年・契約期間の満了 19.7%
②給料等の収入が少なかった 12.0%
③能力・個性・資格を生かせなかった 8.6%
女性(30代後半)
①労働時間、休日等の労働条件が悪かった 15.3%
②給料等の収入が少なかった 10.8%
③職場の人間関係が好ましくなかった 10.4%
男女で違いはあるものの、「給料等収入が少なかった」「労働時間、休日等の労働条件」が理由として多いことがわかります。
30代になると、今後長く続けていけるのかを考えるようになり、長く働ける企業へ転職する人も多いようです。
30代の転職は20代の転職の何が違うのか?
20代のうちの転職は「ポテンシャル」が重視されます。
まだ若く経験が浅いため、即戦力としてではなく、今後の成長が期待できる人材が求められる傾向にあります。
そのため、未経験職種への転職も挑戦しやすいと言えます。
では、30代になってからの転職はどうでしょうか?
・30代前半の場合
即戦力として活躍できるかどうかが大切です。実績やスキルを活かせる職種の転職率は高くなっています。
しかし一方で、新しい職種に挑戦できる最後の年代と言われています。
・30代後半の場合
即戦力となること、さらにマネジメント力も必要になります。
現場で使える知識や、これまでの実績があれば評価につながります。
また30代での転職活動期間は、20代に比べて長期化する傾向にあります。
企業のニーズとマッチするかどうかが成功の鍵になっています。
30代が企業から求められるもの
・30代前半の場合
30代からの転職は「今後の伸びしろ」よりも「即戦力」として活躍できる人材が求められます。
どのようなスキルを持ち、どのような経験をしてきたのかが大切になります。
・30代後半の場合
経験やスキルが豊富な人材が求められます。さらにマネジメント経験を求められることもあります。
すでに管理職の経験を積んでいる年代のため、「後進の育成ができる」や「組織をまとめる」ということに期待し、
なんらかの役職を任せたいと考えているケースも多いようです。
30代から未経験業界・職種は難しい
・難しい理由は?
30代からの転職は、これまでの経験・スキル・マネジメント力を求められていることが多いため、
ポテンシャル重視の20代に比べて未経験業界・職種への転職は難しくなります。
ただし、営業スキルがある場合や、マネジメント経験がある場合、他業界でも活用できることがあるため採用されることがあります。
・比較的転職できる業種や業界は?
<飲食・小売>
求人数が多く、「未経験歓迎」という求人も多い業種です。
店舗の現場スタッフや、店長・マネージャー候補としての求人もあります。
<美容・エステ>
全く別の業界から転職する人も多い業界です。
専門技術が身につくので手に職をつけたい人にも向いていると言えます。
<事務>
特に女性に人気があります。
未経験でも転職可能で、電話対応やビジネスマナー、PC経験が活かせます。
ただ、非常に人気で求人倍率は高くなります。
<営業>
商品やサービス、不動産、保険など様々です。
ビジネスマナーやPC経験が生かせます。
ただ、人によって向き不向きが別れるため注意が必要です。
人と話すのが好きな人、ノルマなど数字で成果が見えると頑張れる、という人は向いています。
転職サイトでも「未経験歓迎」という求人は多く存在します。
30代でも未経験の職種・業界に挑戦することはできますが、場合によっては大幅な年収ダウンをすることも覚悟しておきましょう。
30代で転職を成功させる5つのポイント
①なぜ転職をしたいのかを明確にする
転職によって実現したいのか、理由を明確にすることが大切です。
理想とするキャリアプランやライフプランをしっかり考えましょう。
最後の転職にするつもりで、退職までを想定することも必要です。
転職先を探す際の条件はいくつかあるかと思いますが、優先順位をつけておき、何をもって「転職成功」とするのか、自分の中でぶれない軸を持っておきましょう。
②即戦力として売り出せる自分の強みを把握しておく
20代はやる気や素直さが評価されて採用される場合もありますが、30代の場合は即戦力となるかどうかが見られます。
これまでの具体的な実績や、身につけたスキルを自分で把握しておきましょう。
それらの能力を入社後どう活かせるか、わかりやすく相手に伝えることが大切です。
具体的なエピソードも交えるとより伝わりやすくなります。
③在職中から転職活動をはじめる
「退職して時間を作って転職活動をしたい」と思う人もいるかもしれませんが、退職後は転職活動において不利になることがあります。
収入がなくなる不安や焦りから、早まって会社を決めてしまったり、離職期間が長くなるにつれて先行でも不利になったりします。
「離職中」よりも「在職中」の方が有利なのです。
④口コミサイトなどから志望企業の情報収集を徹底的に行う
転職サイトに書いてある情報は、企業がアピールしたいことが書かれているため、企業の全貌はわかりません。
転職サイトの他に、「口コミサイト」「掲示板サイト」なども活用しましょう。
実際そこで働いた人の声が聞けるため、企業の雰囲気や評判を見ることができます。
⑤転職エージェントを活用してプロのサポートを受ける
自分の持っている経験やスキルが活かせる企業や、希望の条件にあった企業などを紹介してもらえます。
また、その企業に対してのアピールの仕方・書類の書き方など、専門家からのサポートが受けられます。
条件の良い求人を非公開求人にしている企業も多いため、転職エージェントは積極的に使いましょう。
面接や忙しいので効率的に転職したい、という方にもおすすめです。
まとめ
30代の転職は、20代と比べて難易度が上がることがあります。
求められるのもポテンシャルだけではなく、即戦力になるかどうか、ということです。
転職の成功率を上げるためには、これまでの実績・経験・スキルを自分で把握し、アピールすることが大切です。
即戦力として活躍できることをわかりやすく伝えられるようにしておきましょう。
また、転職を通して何を実現したいのか、自分の中でぶれない軸を持つことで転職成功へとつながります。