「本当の理由を言ってもいいの?」
「退職理由の答え方がわからない…」
と、転職するにあたって、退職理由をどのように伝えたらいいのか悩んでいる人もいると思います。
ネガティブな退職理由であればなおさら、本当のことを言っていいのか不安になりますよね。
しかし、伝え方次第で違った印象を与えることができます。
今回はポジティブに変えるポイントを例文を交えながら紹介していきます。
退職理由を聞かれた際にNGな伝え方5選
①「人間関係が原因で・・」
「人間関係を理由にまたすぐ辞めてしまうのでは?」「本人にも原因があったのでは?」と、面接官に不安感を持たれてしまいます。
②「残業が多くて・・」
残業の多さ=転職理由 になってしまうと、面接官から仕事への意欲がない人だと思われる可能性があります。
また、残業の感覚は企業ごとに違うので、口コミサイトなどで転職先を事前に確認しておくことも必要です。
③「給与が低くて・・」
給与に不満を感じたらまた転職するのでは?と思われる可能性あります。
また、仕事のことよりお金のことしか考えていない、と思われることもあります。
成果を出したのにそれに見合った給与をもらえなかった、と言う伝え方をするとマイナスな印象になりにくいでしょう。
④「休日が少なくて・・」
「自社を選んだのは単に休日が多いから?」「入社後もし休日が減ったらやめるのか?」とマイナスな連想をしてしまいます。
⑤「仕事がきつくて・・」
「辛くなったらすぐ逃げ出してしまう人なのでは?」と思われてしまいます。
どの理由も「人任せ」のような印象を与えてしまい、「自分で解決しようとしなかったのか?」と疑問に持たれることもあります。
状況に応じて変わる退職理由の例文
・病気や体調不良が原因で退職した場合の例文
「度重なる長時間労働を続けたことで、体調を崩してしまい退職いたしました。
静養の結果、現在では健康状態に問題はありません。
御社では、前職での経験を活かし、積極的に仕事に取り組んでいきたいと考えております。」
また体調を崩して辞めてしまうのではないか、という不安感をなくすために、
現在では体調は回復しており、他の人と変わらず働けることを伝えましょう。
・家族の介護が原因で退職した場合の例文
「父が病気で倒れ、介護が必要になったのがきっかけです。以前は仕事を続けながら介護をしていましたが、
悩んだ末介護に専念することにしました。現在は介護施設に入所することができたので、業務に支障はありません。
今後は仕事に集中し、御社に貢献する所存です。」
介護のために退職したと言う明確な理由と、現在は仕事に専念できる環境であることを具体的に話すことが大切です。
介護サービスの利用や、他の家族の体制なども差し支えのない範囲で答えましょう。
・結婚や寿退社が原因で退職した場合の例文
「結婚に伴い、転居が必要になったため退職いたしました。
結婚後も仕事を続けたいと思っており、前職での経験を活かせる仕事がしたいと思い、御社を志望しました。
仕事をすることに主人も賛成してくれており、経験を活かして1日でも早く御社に貢献したいと思っております。」
仕事復帰する理由と、家族の理解はあるのか、という点を伝えましょう。
場合によっては、妊娠や出産について聞かれることもあるかもしれません。その際は長く働きたいという意欲をアピールしましょう。
・給与が待遇面が原因で退職した場合の例文
「以前の会社では、年功序列の風潮があり、大きな成果を上げても給与額に反映されませんでした。
そのため、自分の力を正当に評価してくれる実力主義の会社で、自身の能力を思う存分発揮したいと考え、御社を志望しました。」
給与が低いことへの不満だけを述べてしまうと「お金のことしか考えていないのか」と思われてしまうので、
具体的に自分の成果を述べた上で、評価が見合わなかったことを伝えましょう。
・人間関係が原因で退職した場合の例文
「以前は個人プレー重視の企業であったため、各自の判断で動くスキルを身につけてきました。
しかし私自身は、周囲と連携しながら仕事を進めるのが得意です。
次の段階として、チームワーク重視の御社でさらなるスキルアップをしたいと考えております。」
人間関係が悪かったとしても、直接的な表現で言わないようにしましょう。
また、前職での人間関係が原因でコミュニケーション能力の自信がなくなった、と言う人もいるかもしれませんが、
それが面接官に伝わるとマイナスになることもあります。面接の際には自信を持ってハキハキ話しましょう。
企業が退職理由を聞く3つの理由
そもそも企業はなぜ退職理由を聞くのか、その理由は大きく3つ。
理由1「長く勤められるか?」を確認するため
特に短期間で辞めた場合や、人間関係・仕事環境で辞めた場合は、「また同じ理由ですぐ辞めるのでは」という心配があります。
転職理由と、自社で起こりうる状況を照らし合わせて、長く続けていけるかどうかチェックしているのです。
また、退職理由となった問題に対して、解決しようと行動を起こせたどうかも見られています。
不平・不満ばかり言ってしまうと、当事者意識のない「すぐ逃げてしまう人」と思われる可能性があります。
理由2「人柄・考え方」を知るため
書類だけではわからないメンタルやモチベーションと言った面を見られています。
具体的には人間性や仕事に対する考え方、人間関係を築くコミュニケーション力などです。
社風と合致しているかどうかを見極め、入社後のミスマッチを防ぐ目的があります。
理由3「仕事に対する責任感」を確認するため
どういった意識をもって仕事に取り組んできたかどうかは、企業にとって重要なことです。
社風に合致しているかどうかで、企業への定着や売り上げの貢献へとつながります。
退職理由を伝えるときのポイント
・ポジティブに伝える工夫をすること
転職活動を成功させるのに大切なことは、ネガティブな退職理由を述べないことです。
「一緒に働きたい」と思ってもらえる魅力的な人材になるためには、
退職理由を述べて終わるのではなく、志望動機とつなげる話をするように意識しましょう。
「入社後はこうしていきたい、こうなりたい」と言う意欲を伝えることで前向きな印象を与えられます。
・以前の会社の悪口や愚痴にならないよう気をつけること
「〜してくれなかった」「〜させられた」などと批判の言葉を使うのは避けましょう。
他人任せな印象になり、入社後も不満が出れば同じように言うのではないかと思われてしまいます。
・退職理由でも自信をもって伝えること
話す内容も大切ですが、表情や声の大きさ、明るさなどもとても大切です。
暗くボソボソと話してしまうと「会社に馴染めるのか」「意欲はあるのか」などとマイナスな印象を与えてしまいます。
「他の社員とうまくやっていけそう」「一緒に働きたい」とプラスの印象を与えるために、自信を持ってハキハキと話しましょう。
■まとめ
採用側が退職理由を聞くのは、「今後も長く続けてくれるか」「企業に合っているか」を見極めるためです。
会社を辞める際には、誰でもネガティブな理由があると思います。
しかしその中にも、「もっとこうしたい・こうなりたい」という希望が隠れているのではないでしょうか。
転職しようと思った理由を前向きに伝え、入社後にどのように活躍していきたいか、意欲を伝えましょう。